稲盛和夫さんから学ぶ京セラさん流 日々の仕事を進めるにあたって
お知らせ
引き続き、稲盛和夫さんから学ぶを京セラさんホームページより勉強させていただき
抜粋させていただきました。
こちらから京セラさんのページにジャンプできます。↓
https://www.kyocera.co.jp/inamori/philosophy/
日々の仕事を進めるにあたって
京セラでは、アメーバ単位で〔時間当り採算制度〕を実施し、職場での仕事の結果が誰にでもはっきりとわかるようになっています。社員一人一人が経営者の意識をもって、どうすれば自分たちのアメーバの〔時間当り〕を高めていけるかを真剣に考え、実践していかなければなりません。
常日頃、鉛筆一本やクリップ一つにいたるまで、ものを大切にしようと言っているのは、こうした思いの表れです。
床にこぼれ落ちている原料や、職場の片隅に積み上げられている不良品が、まさにお金そのものに見えてくるところまで、私たちの採算意識を高めていかなければなりません。
私たちは余裕ができると、ついつい「これくらいはいいだろう」とか、「何もここまでケチケチしなくても」というように、経費に対する感覚が甘くなりがちです。そうなると、各部署で無駄な経費がふくらみ、会社全体では大きく利益を損なうことになります。
そしてひとたびこのような甘い感覚が身についてしまうと、状況が厳しくなったときに、あらためて経費を締めなおそうとしても、なかなか元に戻すことはできません。ですから、私たちはどのような状態であれ、常に倹約を心がけなければなりません。
出ていく経費を最小限に抑えることは、私たちにできる最も身近な経営参加であると言えます。
物品や原材料を購入する場合、大量に買えば単価が下がるからといって、安易に必要以上のものを買うべきではありません。
余分に買うことは無駄遣いのもとになります。たとえ一時的に大量に安く購入できたとしても、これによって在庫を保管するための倉庫が必要となったり、在庫金利が発生したりといった余分な経費がかかってきますし、さらには製品の仕様変更などの理由で、まったく使えなくなってしまう危険性もあります。
やはりメーカーはメーカーに徹し、ものづくりそのもので利益を上げるということに専念すべきです。必要な時に必要なだけ購入するという考え方が大切です。
ものづくりの原点は製造現場にあります。営業の原点はお客様との接点にあります。
何か問題が発生したとき、まず何よりもその現場に立ち戻ることが必要です。現場を離れて机上でいくら理論や理屈をこね回してみても、決して問題解決にはなりません。
よく「現場は宝の山である」と言われますが、現場には問題を解くためのカギとなる生の情報が隠されています。絶えず現場に足を運ぶことによって、問題解決の糸口はもとより、生産性や品質の向上、新規受注などにつながる思わぬヒントを見つけ出すことができるのです。これは、製造や営業に限らず、すべての部門に当てはまることです。
企業での技術開発やものづくりには経験則が不可欠です。理論だけではものはできません。
たとえばセラミックの場合、原料である粉体を混ぜて成型し、高温で焼けばでき上がるということは、勉強さえすれば誰でも理解できます。ところが、粉体を混ぜるということがどういうことなのかは、実際に自分で手を染めて苦労してやってみないと決してわかりません。液体や気体なら完全な混合ができますが、粉体はどこまで混ぜたら混ざったといえるのか、これは経験則でしかわからない世界です。
この経験則と理論がかみ合ってはじめて、すばらしい技術開発やものづくりができるのです。
私たちがつくる製品は、「手の切れるような製品」でなくてはなりません。それは、たとえばまっさらなお札のように、見るからに鋭い切れ味や手ざわりを感じさせるすばらしい製品のことです。
製品にはつくった人の心が表れます。ラフな人がつくったものはラフなものに、繊細な人がつくったものは繊細なものになります。たくさんの製品をつくって、その中から良品を選ぶというような発想では、決してお客様に喜んでいただけるような製品はできません。
完璧な作業工程のもとに、一つの不良も出さないように全員が神経を集中して作業にあたり、ひとつひとつが完璧である製品づくりを目指さなければなりません。
問題が発生したときや、仕事に行き詰まったときには、その対象となるものや事象を真剣に、謙虚に観察し続けることです。
たとえば、製造現場では、あらゆる手を尽くしても歩留りが思ったように向上せず、壁にぶちあたることがよくあります。そんなときは、製品や機械、原材料、治工具にいたるまで、工程全体をすみずみまで観察し、素直な眼で現象をじっと見つめなおすことです。不良品や整備の悪い機械があれば、その泣き声が聞こえてくるはずです。製品そのものが、解決のヒントを語りかけてくれるのです。
先入観や偏見をもつことなく、あるがままの姿を謙虚に観察することが大切です。
ものごとを処理するにあたっては、どんぶり勘定でとらえるのではなく、ひとつひとつ明確に対応させて処理することが大切です。
たとえば伝票なしで現金や物を動かしたり、現金や物の動きを確認せずに伝票のみで処理するというようなことがあってはなりません。売掛金の入金チェックにしても、どの売上分をどの入金分で受け取ったのかを個々に対応させながら一対一で消し込むことが必要です。
また、生産活動や営業活動においても、〔総生産〕や〔総収益〕といった、いわゆる収益とそれを生み出すために要した経費を正確に対応させ、厳密な採算の管理を行うことが必要です。
人は誰しも単純なミスを起こすことがあります。また、してはならないと知りながらも、つい魔が差したように不正を行ってしまうことがないともかぎりません。
こうしたミスや不正を防ぐためには、複数の部門や人が関わるダブルチェックのシステムが働くようにする必要があります。物品の購入における受入部門と検収部門という複数部門によるチェック、公印の捺印における捺印者と保管者という複数の人によるチェック、数字の計算における二者検算等は、その代表的なものです。
特に金銭関係や物品の管理においては、このダブルチェックを徹底し、ミスや不正を未然に防止する体制にしておかなければなりません。
私たちはともすると、ものごとを複雑に考えてしまう傾向があります。しかし、ものごとの本質をとらえるためには、実は複雑な現象をシンプルにとらえなおすことが必要なのです。事象は単純にすればするほど本来の姿、すなわち真理に近づいていきます。
たとえば、一見複雑に思える経営というのも、つきつめてみれば〔売上を極大に、経費を極小に〕という単純な原則に尽きるのです。京セラの〔時間当り採算制度〕も、この単純化してものごとをとらえるという考え方をベースにしています。
いかにして複雑なものをシンプルにとらえなおすかという考え方や発想が大切なのです。
さすが、稲盛和夫さんと、京セラの皆さんです。
私は今は退塾していますが、以前皆様のご厚意と叔父の厚意に甘えさせていただき、盛和塾に通わさせていただいておりました。その時のことを思い出させていただきました。
つい、備えあれば憂いなしで予備を購入する癖をつけていますがそれ以外はまさしく同じ考え方と常に実効について気にさせていただいている部分が書かれていました。
これからも精進しながら毎日いきいきいきたいと思います。